大相撲の巡業で「ちびっこ相撲」に小学生の女児が土俵に上がれない問題は、静岡市以外にも各地で起きていることがわかった。
相撲協会「女性が土俵に上がれない話とは別」 女児除外
ちびっこ相撲でも…女の子は「遠慮して」相撲協会が要請
特集「土俵と女性」を考える
長野県では伊那市と東御(とうみ)市で10、11日にあった巡業のちびっこ相撲で、小学生の男児のみが募集された。主催した信濃毎日新聞によると、昨年12月の打ち合わせで日本相撲協会から「参加はなるべく男児にお願いしたい」と要請されたという。
参加したのは二つの小学校の計38人。伊那小は「相撲クラブ」に女子部員が3人いるため、「女子は参加できないのか」と同社に問い合わせた。「協会の見解で男子でお願いしたい」と説明されたという。
群馬県高崎市で15日にあるちびっこ相撲でも、協会から1カ月ほど前に、「安全に配慮して、女児は土俵に上げないでほしい」と伝えられた。実行委員会によると、今回、女児の参加希望者はいなかったという。
同県太田市では13日、今秋の大相撲太田場所の契約調印式で市役所を訪れた協会の谷川親方(元関脇北勝力)が、ちびっこ相撲の参加者を男児に限る方針を報道陣に明らかにした。
静岡県掛川市で9日にあったちびっこ相撲も、男児に限って参加者を募集したという。
日本相撲協会によると、ちびっこ相撲で女児がけがをしたという報告が複数寄せられたことから昨年9~10月、安全面を考慮して女児を土俵に上げない方針を決めたといい、「女性が土俵に上がれない話とは別問題」としている。