巨人の菅野智之
(18日・プロ野球 巨人6―3DeNA)
巨人入団6年目。菅野が初めてスタンドまでアーチを描いた。3―3の同点で迎えた五回無死。「来た球に反応した」とスライダーをとらえると、ライナーが左翼席に吸い込まれた。「一塁ベースを回ったときに歓声がわいて、入ったことに気付いた」。自身を援護する、大きな勝ち越し本塁打になった。
今年の巨人打線は、下位がつながる。一時逆転に成功した三回、お膳立てをしたのも菅野だった。
先頭の長野が左前安打で出塁し、小林の犠打で1死二塁。菅野が中前安打でつなぎ、坂本勇の3ランを呼び込んだ。3、4月の月間MVPを獲得し、絶好調の坂本勇は言う。「走者がいる場面で回してくれると、気持ちも変わる。流れに乗って、打席に入れるので」
試合の注目は、DeNAの強力打線に対し、菅野がどこまで連続イニング無失点を伸ばすか、だった。だが「本職」は本調子から遠かった。捕手の構えから微妙にずれる球が多く、球数もかさむ。三回、30イニングぶりに失点した。筒香に先取点となる2ランを浴びると、五回には梶谷にもソロ本塁打を許した。「両方とも防げた失点」と悔いる。
6回を投げきっての降板は、今季最短タイ。その分バットで、余りある貢献をした。本塁打は「マグレです。いつぶりだろう。分からない」と振り返るほど。自身5連勝目は、本人も驚くような思いがけない形でつかんだ。(井上翔太)