2人の男児が死傷した現場付近には花やジュースなどが供えられていた=2018年5月26日午前10時43分、石川県小松市、浅沼愛撮影
石川県小松市符津(ふつ)町のJR北陸線粟津(あわづ)駅の線路付近で倒れていた男児2人が死傷した事故で、県警小松署は26日、現場付近で実況見分をした。小松署によると、倒れていたのは小松市松生町の兄弟で、弟の山本悠太ちゃん(5)が脳挫傷で死亡し、兄で小学2年生の晃君(7)も頭蓋骨(ずがいこつ)を骨折するなどして意識不明の重体。署は現場を通過した特急列車に接触した可能性があるとみて調べている。
列車と接触か 5歳の弟死亡、小2の兄は意識不明の重体
実況見分は午前11時ごろから始まり、捜査員らが線路の撮影や測定などをした。
JR西日本金沢支社などによると、2人は25日午後6時45分ごろ、ホームの端から1メートル離れた下り線の本線と待避線の間に倒れた状態で見つかった。小松署によると、同日午後6時すぎに粟津駅の下り線を通過した特急サンダーバードの先頭車両のドライブレコーダーに、ホーム下の線路脇でしゃがんでいる男児2人の映像が映っていたが、最後尾車両からの映像では倒れた状態となっていた。この特急の車体には血のようなものがついていたという。
粟津駅は特急列車が止まらない駅。駅付近の線路には柵が設置されているが、子どもでもくぐって線路内に入り込むことができる。
亡くなった悠太ちゃんが通っていたこども園の女性園長は「笑顔がかわいくて、優しくて、みんなにかわいがられていました。仲良しの兄弟。つらい、としか言いようがない」と悲しんだ。兄の晃君の通う小学校は、26日に予定されていた運動会を延期した。同じ小学校に娘が通っているという男性は「娘がショックを受けている。なんで線路に入ってしまったのだろう」と話した。
現場近くの男性は「まさか事故が起きるとは。事故のあった時間はだれも見ていなかったのではないか」と話した。