指定暴力団工藤会(北九州市)が関与したとされる一連の事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)罪などに問われた元工藤会系組員、長尾晋被告(29)の初公判が28日午前、福岡地裁(松藤和博裁判長)で始まった。被告は福岡県警元警部が銃撃された事件で無罪を主張した。
一連の事件での公判は3人目。起訴状によると、長尾被告は2012年4月19日、工藤会トップの指揮命令に基づき、北九州市小倉南区の路上で元警部の男性が銃撃された事件に関与したとされる。事件の半年前に他人名義の携帯電話をだましとったとして、詐欺罪などにも問われている。
検察側は冒頭陳述で、長尾被告が事件前、組幹部の指示で元警部の出勤時間などの行動確認をしていたと主張。また、だまし取った携帯電話は、実行役の連絡用に使われた、とした。
被告側は、事前の調査はしたが事件の詳細は聞かされず、殺意も共謀もなく無罪だと反論。仮に認められても幇助(ほうじょ)犯にとどまると訴えた。詐欺罪は認めた。