米フロリダ州のパームビーチで6日、シリアへのミサイル攻撃について声明を発表するトランプ米大統領=ロイター
トランプ米大統領は6日(日本時間7日午前)、シリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、アサド政権軍の空軍基地を攻撃したと発表した。シリア国営通信によると、子ども4人を含む民間人9人が死亡したという。安倍晋三首相は記者団に「化学兵器の拡散と使用は許さないとの米国の決意を支持する」と語った。一方、アサド政権を支援するロシアは「主権国家に対する侵略だ」と激しく反発。一時は関係改善を目指した米ロ関係に亀裂が走り、シリア情勢がさらに混迷するのは必至だ。
特集:シリア情勢
トランプ氏は6日夜、フロリダ州パームビーチで、中国の習近平(シーチンピン)国家主席との夕食会後に演説し、「化学兵器による攻撃をしたシリアの航空施設に標的を定めた軍事攻撃を命じた」と明らかにした。アサド政権軍が同国北西部イドリブ県で4日に化学兵器を使った攻撃への対抗措置であり、限定的な攻撃であるとした。
トランプ氏は「化学兵器の拡散と使用を防ぐことは、米国の安全保障にとって絶対的に不可欠な利益」とし、米国を守る個別的自衛権の行使であることを示唆。さらに「全ての文明国に、シリアにおける虐殺と流血を止め、あらゆる類いのテロリズムを止めるため、米国(の行動)に加わるよう求める」とも述べ、国際社会の理解と協力を求めた。
米国防総省によると、攻撃開始…