「木簡・くずし字解読システム MOJIZO」スマホ版の画面
奈良文化財研究所と東京大学史料編纂(へんさん)所が、くずし字を画像から調べる「木簡・くずし字解読システム MOJIZO」のスマホ・タブレット版をつくり、ネット上で公開した。古文書などの文字を撮影し、このシステムで検索すると、候補の字を教えてくれる。
両機関は昨年3月、パソコン向けの解読システムを開発。古文書などの読めない文字を1字ずつ撮影して画像ファイルにし、このシステムの検索欄に入れると、木簡と古文書の文字データベースから似た字を探し、表示する。
検索対象は古代から近世までの約6千字。一つの字に複数の画像がある場合もあり、約3万点の画像から類似度の高い順に最大100件を表示する。
部首や読みの見当がつかなくても、画像で字を探せるのが特長だ。公開からの約1年で22万件以上のアクセスがあった。専門家だけでなく、公民館の講座などで古文書を読む人、古美術品の箱の上書きや刀剣の銘を読みたい人に好評だ。
出先でも手軽に検索できるよう、スマホ・タブレット版をつくった。海外で漢字への関心が高まっているのを受け、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語の利用案内も追加した。
検索の精度を高めるため、背景を消したり、文字の色を濃くしたりするスマホ用画像処理アプリの開発も進めている。システムのURLは
http://mojizo.nabunken.go.jp/
(栗田優美)