事故現場近くの寺で開かれた法要。隣接した保育園の園児らが手を合わせた=12日午前、京都市左京区、佐藤慈子撮影
京都・祇園で暴走した車が歩行者らをはね、7人が死亡、12人が重軽傷を負った事故から12日、5年を迎えた。事故を風化させまいと現場近くの檀王(だんのう)法林寺が法要を開き、犠牲者を追悼し悲惨な事故がなくなる日を願った。
午前11時、犠牲者を供養するためにおさめられた3体の地蔵の前で、住職の信ケ原雅文(しがはらがぶん)さん(62)が読経し、犠牲者を弔った。法要には地元住民らが参列。事故で亡くなった沢西桃代さん(当時62)と同僚だったという吉良尚美さん(60)は「思い出すことがみなさんの供養になる。これからも訪れたい」と話した。
寺が運営する、だん王保育園の園児約60人も手を合わせた。信ケ原さんは「この事故を通じて子どもたちに交通安全の大切さを伝え、事故を決して無駄なものにしない」と語った。(本多由佳)
■花や手紙、自宅に今も
桜の季節。5年前も、今年と同じように満開を迎えていた。奥村順子さん(70)=京都市右京区=はこの日、亡くなった長男の昌彦さん(当時40)の冥福を自宅で祈った。
介護福祉士だった昌彦さんは利…