伊藤さんと「ロバート」の馬場さんが考案した駅弁
熊本地震後の復興工事で瀕死(ひんし)の重傷を負った熊本県南阿蘇村の男性が、南阿蘇鉄道(南鉄)の南阿蘇白川水源駅構内で販売を始めたあか牛の駅弁が、連日完売する人気だ。開発には、料理好きで知られるお笑いトリオ「ロバート」の馬場裕之さんも加わった。男性は、南鉄が完全復旧して本格的に観光客が戻る日を待ちわびている。
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販売するのは、白川水源駅で5年前から「駅カフェ 倶梨伽羅(くりから)」を営む伊藤幸蔵さん(41)=同南阿蘇村白川=。カフェは地震前まで、外輪山をイメージした「カルデラカレー」が人気で、アウトドアや写真の愛好会らでにぎわった。
だが、昨年4月16日の本震で南鉄が運休。店は停電し、食材も入らなくなった。
「再開できない間は、復興事業に貢献を」と、同村立野地区の土砂崩れ現場で土木作業をしていた5月下旬、水路の土砂をかきだしていて操作を誤り、重機ごと転倒、下敷きになった。肋骨(ろっこつ)など12カ所を骨折、右手の筋肉が切れるなどの重傷を負い、熊本市内の病院に3カ月入院した。
南鉄は昨年7月に白川水源駅を通る一部区間が再開したが、カフェに伊藤さんの姿はなかった。
「人って簡単に死ぬんだと思っ…