四つの車輪がある米・オハイオ大学のナノカーのイメージ図(物質・材料研究機構と仏国立科学研究センター提供)
分子でできた極小の車による世界最小の国際レース「ナノカーレース」が28、29の両日、仏トゥールーズで初めて開かれ、日本からは物質・材料研究機構(茨城県つくば市)のチームが出場する。分子を意図的に動かすことで医療などへの応用が期待される「分子機械」の設計や操作技術を磨くねらいがある。
日本のチームリーダーで同機構の中西和嘉(わか)主任研究員(39)によると、仏国立科学研究センターの呼びかけで、日仏独米、オーストリア、スイスの研究機関が作った6台が参加する。各国の自動車大手がスポンサーになり、フランスはプジョー・シトロエン、ドイツはフォルクスワーゲン、日本はトヨタ自動車が支援するという。
車はいずれも全長数ナノメートル(ナノは10億分の1)。針で電気的な刺激を与えて動かす。海外勢には車輪つきの車もあるが、日本の車は炭素と水素、酸素原子計88個で作られ、左右に2枚ずつの羽根をバタバタ振動させて進むという。
コースは直径8ミリの円形の金…