開幕に向けて順調に調整する大野
長年温めていた企画だ。プロ野球中日のエース・大野雄大が1人親の家族を毎月1回招待する「大野雄大招待プロジェクト」が始動した。本拠の開催試合で年6回にわたって、愛知県内の家族10組、20~40人ほどを招く。
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大野自身も母子家庭で育った。1度だけプロ野球の試合に連れて行ってもらったことがある。間近でプレーを見て、「プロ野球選手」になる夢を描いた。だから、今度は自分が子供たちに夢を与える番だ、と。招待するだけではなく、弁当やドリンク、応援グッズをプレゼント。試合後に触れあう企画も検討中だ。「僕は週に1回しか投げない。一日楽しんでもらえるように、内容の濃いものにしたかった」
記者にとっては、7年前の記憶と重なった。大阪勤務だった頃、佛教大時代の大野を取材したことがある。当時から、「プロになって、1人で育ててくれた母に恩返しをしたい」と話していた。母の負担を減らそうと、深夜にガソリンスタンドでアルバイトをしながら野球を続けた苦労人。負けん気の強そうな見た目からは想像もできなかった。今回の企画で、母への思いが今も変わらずあると知り、うれしくなった。
プロ7年目の28歳。2年連続で開幕投手を務め、今やチームに欠かせない左腕に成長した。今季は18日現在、まだ勝ち星は挙げていないが、子どもたちに夢を与え続ける。(野田枝里子)