内閣府は19日、ホームページ(HP)で閲覧できなくなっている中央防災会議の「災害教訓の継承に関する専門調査会」の報告書について、4月中にも再び閲覧できるようにすると記者会見を開いて発表した。閲覧できない理由を「HPの刷新に伴うもの」とし、意図的な削除ではないと説明している。
内閣府によると閲覧できないのは、過去の24災害の教訓を将来に伝えるため、専門調査会が2003~10年に作った報告書のすべて。うち、関東大震災の報告書の第2編では「殺傷事件の発生」として朝鮮人虐殺を扱っている。
内閣府は現在、HPの刷新作業中で、報告書が見られなくなったのは「技術的な問題」と説明。刷新が終われば再び閲覧できるようにするとしている。
この問題について朝日新聞は19日付朝刊に「『朝鮮人虐殺』に苦情、削除」などとして掲載した。18日に内閣府の複数の担当者に電話で取材。担当者は朝鮮人虐殺の記述に苦情があることを認め、HPの刷新に合わせて見られなくしようということになったと説明。すべての報告書のデータを順次消す作業をしている、と述べた。