メガマニラサブウェーの駅構内の完成予想図、2015年作製(国際協力機構〈JICA〉提供)
フィリピンのツガデ運輸通信相は、マニラ首都圏を走る同国初の地下鉄網「メガマニラサブウェー」計画について、安倍晋三首相が11月に同国を訪問し、ドゥテルテ大統領と覚書を締結すると明らかにした。日本の円借款で、市民を悩ませてきた交通渋滞の解決を目指す。
地下鉄事業の事前調査をしてきた国際協力機構(JICA)フィリピン事務所によると、マニラ首都圏中心部を走る地下鉄路線の第一段階としてまず、人口が多いケソン市からタギッグ市間の約25キロに13~15駅をつくることを想定している。運行開始は2025年となる見通し。大まかな事業費は約50億ドル(約5436億円)としている。
現地報道によると、18日にあった「ドゥテルテノミクス」と題したフォーラムで、ツガデ氏は地下鉄計画について、「ドゥテルテ政権の最も意欲的なプロジェクトの一つだ」と言及。着工は2019年との見通しを示し、完成すれば1日に35万人を運ぶことができると説明した。
1月にフィリピンを訪問した安倍首相はドゥテルテ大統領と会談し、今後5年間で政府の途上国援助(ODA)と民間投資をあわせ、1兆円規模の官民支援をすると表明していた。(ハノイ=鈴木暁子)