天国社が所有する、ヴェルファイアを改造した霊柩車=福岡市西区
火葬のみを行う直葬や家族葬といった葬送スタイルの多様化に伴い、「霊柩(れいきゅう)車」の個性化が進んでいる。豪華な装飾を施した、昔ながらの「宮型」が減る一方、見た目もユニークな車が九州にも登場している。
「こちらが霊柩車の『さくら』です」
唐津公善社(佐賀県唐津市)が所有する霊柩車は、なんとピンク。トヨタ自動車のクラウンをベースに改造した、ど派手な一台だ。ピンク一色ではなく、棺を入れる後部分は黒色で引き締め、厳かな雰囲気を漂わせる。
導入は2014年。佐藤正彦社長が地元商工会の花見に参加した際、トヨタの営業マンからピンク色のクラウンが売り出される話を聞いた。「いつか虹のように七色の霊柩車をそろえたい」と考えていた佐藤社長は、ピンク霊柩車の導入を検討。ピンククラウンの納車には時間がかかるため、白色クラウンをピンクに塗り替えて運行を始めた。
同社が所有する6台のうち、ピンクを除く5台は派手な装飾のない洋型とバン型。需要が減った宮型は7、8年前に手放したという。ピンク車の利用は年間30~40件で8割が女性だが、最初の利用者は男性。「『派手なじいちゃんにぴったり』とお孫さんが選んだ。奇抜だが、ほかにはないと好評を得ている」と佐藤社長は話す。
天国社(福岡市)は、トヨタの…