優勝を決め、喜ぶ大阪桐蔭の選手たち=4日午後、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場、池田良撮影
(4日、選抜高校野球 大阪桐蔭5―2智弁和歌山)
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うずく右ひざなど、気にしなかった。「100%の力を出し切った」と白い歯をこぼしたのは、大阪桐蔭の打線を中心で支えた4番藤原恭大(きょうた)だ。
昨秋の練習中に右ひざを負傷した。50メートルを5・7秒で駆け抜けるチーム屈指の俊足で、本来は1番打者。それが、けがの影響で今大会は4番を担った。ひざは今も痛むといい、準決勝まではサポーターに加え、テーピングを使って「かなり固めていた」。
決勝は自らの判断でテーピングを外した。「あると、動きがやっぱり硬くなる。プレーに集中したい」というのがその理由。「(後に)響くかもしれない不安はあるけど、そういうことは今日は考えない。この1試合に全てをかける」と、優勝への覚悟を決めた。
この日、2点を追う四回、先頭打者だった2打席目は、反撃の口火を切る二塁内野安打。続く5番根尾の右前安打で一気に三塁に進み、「痛くても全力で走ると決めていた」。八回は無死二塁で左越えの適時二塁打を放ち、計2安打1打点。連覇の立役者の一人となった。
「毎試合安打が打てたのは、自信になる。4番として悔いのない戦いができた」と藤原。満足はしていない。「やっぱり自分は1番打者。夏は先頭で出塁して、チームを勢いづけたい」(吉永岳央)