明治安田生命保険は、2017年3月期決算で2年ぶりに個人契約者への配当を増やす方針を固めた。今春から新規契約の主力商品に付く特約の保険料を下げたため、それより前に同じ内容で契約している人に利益の一部を還元する。
契約者配当は、当初の想定より運用益が出たり、死亡者が少なかったりした場合に、利益の一部を契約者に還元する仕組み。増配分は約8億円で、対象の契約は約140万件となる見通しだ。
富国生命保険も、5年連続の増配とする方向で検討している。増配分は約8億円で、対象は医療保険と死亡保険の約165万件になる方向だ。
ただ、生命保険各社にとっては低金利による厳しい運用環境が続いており、明治安田の根岸秋男社長は21日、生命保険協会長としての記者会見で、「超低金利環境がしばらく続けば、収益にボディーブローのように効いてくる」と述べた。