9条改正をめぐる2012年自民党改憲草案と首相発言の違い
安倍晋三首相(自民党総裁)は12日、党本部で党憲法改正推進本部の保岡興治本部長と会談し、憲法9条に自衛隊を明記する改正など自らの提案に沿った改憲の原案をまとめるよう指示した。自民党は公明党と水面下で協議し、原案を調整することも検討。憲法審査会で進めてきた民進党を巻き込みながら改憲議論を進める協調路線から転換を図る。
安倍首相は保岡氏に対し、3日の改憲派集会に寄せたビデオメッセージで、戦争放棄や戦力不保持を定めた憲法9条1、2項を残し、自衛隊の存在を明記することや教育無償化などの改憲案を示したことを説明。そのうえで、「憲法審査会に出す我が党の案を、しっかりまとめる努力をしてほしい」と指示した。
保岡氏は会談後、記者団に「推進本部で審査会に提案する案の具体化を加速させたい。内容を整理し、一段とギアを入れて努力したい」と述べ、党内論議を急ぐ考えを示した。推進本部は24日に「安全保障」をテーマにした勉強会を開催する。
今後の党内議論では、保岡氏ら…