「被害者の会」の集会に参加した人たち=東京都墨田区、森田岳穂撮影
破産手続き中の格安旅行会社てるみくらぶ(東京)に旅行代金を支払っていた15人が23日、東京都内で集会を開き、「被害者の会」を結成した。旅行代金の多くが弁済されない見通しで、てるみくらぶ側に損害賠償を請求したり、代金の弁済制度の不備を国に訴えたりする活動を検討中だ。ツイッターで情報を発信し、ほかの利用者に活動への参加を呼びかけていく。
てるみくらぶは破産手続きに入った時点で、最大で約9万人分(約99億円)の旅行の申し込みを受けていたとされる。旅行業法に基づく弁済制度には、弁済額の上限があり、てるみくらぶの場合は計1億2千万円。観光庁は有識者会議をつくり、制度の見直し策を検討する予定だ。
被害者の会に参加する都内の会社員男性(29)は「(弁済額に上限があって)『法で守られない』と突っぱねられるのは、納得できない。見抜けなかった国の責任もあるのでは」と訴えた。ハワイで結婚式を予定し、友人の分を含めて12人の旅行代金計150万円を支払ったという。
会の発起人の会社員男性(29)は、自分の誕生日祝いとして妻がハワイ旅行を準備してくれたという。「旅行代金を奪われただけでなく、(妻の)思いが踏みにじられた」と憤った。(森田岳穂)