「だまされたふり作戦」を悪用した手口
特殊詐欺の被害が減らない。昨年の全国の被害額は約406億円。愛知県は約34億4681万円で全国ワースト4位だった。捜査や被害防止策の裏をかく、新たな手口が次々と生まれているという。
「振り込め詐欺が多発しているので気をつけて」
3月上旬。名古屋市北区の60代女性の自宅に「警察官」を名乗る男から電話がかかってきた。「何かあったら電話を」と携帯電話番号が伝えられた。
後日、今度は息子をかたる電話がかかってきた。詐欺と見破った女性は「警察官」から伝えられた番号に電話で相談。すると「犯人逮捕に協力してください。犯人の言うことに従って」と言われ、要求通り400万円を宅配便で送った。
実は「警察官」というのもうそ。警察が近年実施している「だまされたふり作戦」を悪用した手口だった。「警察官」と「息子」は仲間とみられるという。
愛知県警によると、実際の「だまされたふり作戦」では本物のお金を送ることも、警察が電話で「作戦依頼」をすることもないという。
一方、詐欺の被害が地方銀行か…