兵庫県議会の政務活動費が違法に使われたとして、県内の市民オンブズマン3団体のメンバーが議会事務局長を相手取り、県議と元県議計7人に計約2350万円を返還させるよう求めた住民訴訟の判決が25日、神戸地裁であった。山口浩司裁判長はうち6人に支出した計約1480万円分について、返還請求をするよう事務局長に命じた。
判決によると、6人は2011~13年度に政活費を受け取った現職2人と元職4人。雇用契約書のないまま支出された政務活動補助職員の人件費や、一括購入して年度内に使い切らなかった切手代などを、政活費の使途基準にあわない支出と認定した。
判決は、住民側が政活費の収支報告書の記載に基づき、使途基準にあわないとみられる事実を指摘した場合、県や議員側が適切だと立証しなければならない、と指摘した。原告弁護団の古殿(ふるどの)宣敬(のぶたか)弁護士は会見で「住民側が個別に違法の立証をするのは困難。非常に意義のある判決だ」と述べた。
訴えたのは市民オンブズマン兵庫などのメンバー。14年7月、政活費の架空請求を指摘され、記者会見で号泣した野々村竜太郎元県議の問題をきっかけに、政活費の実態を改めて調べた。住民監査請求が却下・棄却され、同年12月に提訴していた。
林省吾・県議会事務局長は「判決文の内容を精査のうえ対応したい」とするコメントを出した。(金井和之)