自身の発言について記者団に釈明する今村雅弘復興相=25日夜、東京都千代田区紀尾井町、田嶋慶彦撮影
東日本大震災の被害について「東北の方だったから良かった」と発言した今村雅弘復興相が25日夜、辞任する意向を固めた。原発事故の自主避難者が故郷に戻れないことを「本人の責任」と発言して謝罪してからわずか3週間。失言を重ねた今村氏に対して、与野党を問わず辞任を求める声が上がっていた。
今村復興相、辞任へ 大震災「東北で良かった」と発言
民進党の蓮舫代表は同日夜、「あり得ない。こんなに被災者に寄り添わない大臣が復興担当だなんて」と自身のフェイスブックで批判した。福山哲郎幹事長代理は記者団に「一度ならず、二度までも被災地の方々を傷つけた」と指摘した。
共産党の小池晃書記局長は朝日新聞の取材に「信じられない暴言で、議員の職にとどまることも許されない。こういう人物を復興大臣に据えた安倍(晋三)首相の任命責任を徹底的に追及する」と厳しく批判した。
与党も今村氏を突き放した。公明党の大口善徳国会対策委員長は「本当に許しがたい。どう東北、被災地の方に申し開きができるのか、よく考えてもらいたい。政治家として出処進退を判断すべきだ」と自発的辞任を促した。
不祥事が相次ぐ自民党の下村博文幹事長代行は「復興相だから言葉遣いは十分注意する必要がある。今まで以上に与党議員全体が注意を重ねるべきだ」と苦言を呈した。