
パリ公演で聴衆の拍手を受けるヤルヴィ指揮NHK交響楽団。ソリストはジャニーヌ・ヤンセン=石合力撮影






アンサンブルやリズムの正確さは折り紙付きだが、まじめすぎる印象もあった日本のオーケストラの評価が欧州で上がっている。世界の一流オケで活躍し、勢いのある実力派の指揮者らが率いた欧州ツアーでは、機能美にとどまらない豊かな音楽性に注目が集まった。
2月末から3月にベルリン、パリ、ロンドン、ウィーンなど欧州7都市で公演したパーヴォ・ヤルヴィ指揮のNHK交響楽団。名実ともに日本のトップオケは「鳥肌が立つほどすばらしいアンサンブル」「信じられないほど統率され、切れ味がよく、意味深く、そして表現豊か」(英ガーディアン紙)と現地で絶賛された。
ドイツ・カンマーフィルの芸術監督を務め、2015年秋からN響の首席指揮者にも就任したヤルヴィは、パリで朝日新聞の取材に応じ、「N響はドイツ的な豊かな弦と、米国のオケの正確さと力強さを併せ持つ。世界のトップ10に入る実力だ」と胸を張った。
「(N響の桂冠名誉指揮者を務…