渋谷恭正容疑者=4月14日午前、千葉県松戸市、川村直子撮影
千葉県我孫子市の草むらで3月末、ベトナム国籍で同県松戸市の市立小学校3年の女児(当時9)の遺体が見つかった事件で、県警捜査本部は、同小の保護者会長だった渋谷恭正(やすまさ)容疑者(46)=死体遺棄容疑で逮捕=を勾留期限の5日にも、殺人とわいせつ目的誘拐などの疑いで再逮捕する方針を固めた。渋谷容疑者は事件について黙秘しているという。
捜査関係者によると、渋谷容疑者は3月24日朝~26日朝の間、自宅近くに住んでいた女児にわいせつ行為をする目的で声を掛けて誘拐。何らかの手段で窒息させて殺害するなどした疑いがある。
女児は24日朝、小学校に向かうため自宅を出た直後、行方不明になった。通学路周辺で悲鳴を聞くなどした住民はおらず、女児が遺体で見つかった時に衣類を身につけていなかったことなどから、捜査本部は、渋谷容疑者がわいせつ目的で声を掛け、軽乗用車に乗せて誘拐した可能性があると判断した。女児の首にはひも状の物で絞められた薄い痕があり、タオルのような物を使って首を絞めた疑いがあるとみている。
女児は26日早朝、自宅から約12キロ離れた我孫子市北新田の橋の下で遺体で見つかった。ここから約18キロ離れた茨城県坂東市の利根川河川敷では25~28日、女児のランドセルや衣類が見つかっていた。
捜査関係者によると、女児が行方不明になった日の朝、渋谷容疑者の軽乗用車が女児の通学路周辺を走っていたことが、民家などに設置された防犯カメラの映像からわかった。同じ日の午後以降、通学路や我孫子市の遺体発見現場、所持品が捨てられていた坂東市の河川敷周辺を走行していたことも、道路沿いの防犯カメラの映像などからわかったという。
また、女児の体に付着した遺留物から採取したDNA型が渋谷容疑者のものと酷似していたことが判明。容疑者の軽乗用車の後部荷台から採取した遺留物のDNA型が女児のものと一致したこともわかった。
捜査本部は先月14日、渋谷容疑者を死体遺棄容疑で逮捕していた。逮捕直後は容疑を否認していたが、その後は雑談に応じることはあっても、事件については黙秘しているという。