中国の省レベルで唯一、昨年の域内総生産(GDP)の成長率がマイナスだった遼寧省は、1~3月期でプラス成長を記録したと明らかにした。同省では過去の経済データの水増しが発覚しており、共産党機関紙・人民日報は2日、「マイナス成長は水増し分を是正したためだった」と伝えた。
遼寧省統計局によると、同省の1~3月期のGDPは約4574億元(約7兆3961億円)で、前年比2・4%増。中国メディアによると自動車製造業やロボット産業などが好調だった。同省で産出される石炭や鉄鉱石などの原材料価格が上昇したこともプラス成長の要因とされる。
ただ、中国の2017年1~3月期の国内総生産(GDP)は前年同期比で6・9%増。遼寧省の成長率は全国を大きく下回っており、政府は重工業主体だった経済構造の転換や景気振興策を続ける方針だ。
同省は中国内でも景気減速が最も深刻とされ、昨年のGDPが前年比2・5%減と全国31の省・直轄市・自治区で唯一マイナス成長を記録していた。2011~14年の地方政府の財政収入などのデータが水増しされていたことも明らかになり、同時期以降のGDPにも影響した可能性が指摘されていた。(瀋陽=平賀拓哉)