愛媛県今治市であった高齢母子殺傷事件で、県警の事情聴取後に自殺した30代の女性に対し、県警が任意捜査を実施した計約9時間のうち、休憩時間が計約20分だったことが県警への取材でわかった。
防げなかった参考人自殺 県警「考えられることやった」
自殺の女性は30代、遺書見つかる 愛媛の親子死傷事件
県警によると、今治署で県警が参考人として女性から事情聴取を始めたのは4日午後1時半ごろ。同10時半ごろまでに計約5時間事情を聴き、その他の時間で「鑑識の捜査をした」などとしている。休憩は約9時間のうち、4回で計20分だったという。県警は午後11時ごろ女性を家族へ引き渡した。
女性は市内にある自宅マンションとは別の場所に家族といたが、再び事情を聴こうと捜査員が5日午前9時ごろに迎えに行ったところ、死亡しており、遺書も見つかったという。
県警は5日、「(任意の)事情聴取なので本人が嫌と言ったら帰ることも可能」としたうえで、トイレ休憩などは適宜あり、「危ない状況ではなかった」と説明した。
事件は3日朝、同市の無職岡本久行さん(70)方で発生。母親の無職ユキヱさん(92)が胸を刺されて死亡し、背中を刺された久行さんも重傷を負った。その後の捜査で女性が関与した可能性が浮上。県警は4日、女性宅を殺人などの容疑で家宅捜索し、任意で女性から事情を聴いた。現場近くの民家では先月、一人暮らしの女性(81)が刺されて死亡しているのが見つかっている。