世耕弘成経済産業相
商工組合中央金庫(商工中金)が国の制度融資で不正な貸し付けを繰り返していた問題で、世耕弘成経済産業相は9日午前、同日中に業務改善命令を出す方針を明らかにした。対象となるすべての融資を調査した上で、役員の責任の明確化や体制の見直しを求める。
商工中金の不正融資414億円 本部も隠蔽関与
災害や景気悪化で経営が悪化した企業に低利で貸し出す国の「危機対応業務」を使った不正な融資について、商工中金は第三者委員会の調査に基づいた社内処分を公表している。世耕氏はこの日の閣議後記者会見で「今の役員を減給処分するだけで済む話ではない」と述べ、監督官庁としても再発防止に向けて厳しい態度で臨む姿勢を示した。
世耕氏は会見で、第三者委が同制度で融資した全22・1万件のうちの2・8万件しか調査できていないことに触れ、「全件調査をしっかりやってもらい、問題の所在とその根本原因を特定することが重要だ」と言及。この結果を踏まえた対応策を求めるとした。(伊藤舞虹)