W杯女子個人第12戦で優勝し、喜ぶマーレン・ルンビ=AFP時事
ノルディックスキー・ジャンプ女子のワールドカップ(W杯)で、平昌(ピョンチャン)五輪金メダルのマーレン・ルンビ(23)=ノルウェー=が、五輪銅の高梨沙羅(21)=クラレ=の個人総合3連覇を阻んだ。3戦を残して初の総合優勝を決める圧倒的な強さだった。
4日にルーマニアのルシュノブであったW杯個人第12戦。ルンビは最長不倒の100メートル、97メートルと唯一ヒルサイズ(97メートル)に達するジャンプを2回そろえ、3戦ぶりの今季8勝目、通算12勝目を挙げた。国際スキー連盟(FIS)の公式サイトによると、ルンビは「いいジャンプができて満足している」。ジャンプ女子で五輪金メダルとW杯個人総合優勝の「2冠」を達成した初めてのジャンパーにもなった。
ルンビは兄の影響を受け、3歳で飛び始めた。昨季は高梨、伊藤有希(土屋ホーム)に次ぐ総合3位。身長169センチの体格を生かした力強い踏み切りで4勝を挙げたが、いいジャンプを2回そろえられないことが多かった。
ところが、今季は助走姿勢が固まり、ジャンプが安定した。飛距離に影響する助走速度が速く、4日の試合は同じスタート位置の選手の中で2回ともトップ。平昌五輪でも優勝を決めた2回目のジャンプ(最長不倒の110メートル)は高梨より助走距離が1・38メートル短かったのにもかかわらず、速度は高梨を時速0・2キロ下回っただけだった。
高梨は「(今季のルンビは)調子の波がなかった」と脱帽。ルンビは「夏に男子と一緒にたくさん練習ができたのがよかった」と好調の要因を挙げている。(勝見壮史)