フランスの右翼・国民戦線(FN)の若手エースで、国民議会(下院)議員のマリオン・マレシャルルペン氏(27)が9日、政治活動を休止すると表明した。家族と時間を過ごし、実業界で働いてみたいのが理由だという。大統領選に続いて6月に総選挙を控えるFNに、痛手となる可能性がある。
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マリオン氏は、党創設者のジャンマリ・ルペン氏の孫で、FNを率いて大統領選の決選投票に進んだマリーヌ・ルペン氏(48)のめい。9日、選挙区がある仏南部ボークルーズ県の地元紙に書簡を寄せ、「小さな娘といっしょに過ごす時間が足りず、つらい。企業でも働いてみたい」と説明した。ただし、「政治から完全に離れてしまうわけではない。国を心から愛しているし、人々の苦しみに無関心でいられるわけがない」とした。
マリオン氏は、2012年に史上最年少の22歳で国民議会議員に当選した。反移民の政策では攻撃的な姿勢を隠さず、伝統的なキリスト教の価値観を重んじる立場で、仏南部を中心に、旧来のFN支持層からの支持が厚い。
だが、現在のFNは、マリーヌ氏や側近の副党首らによる「柔軟化路線」が中核。「強硬路線」のマリオン氏は、確執が目立ち、孤立化や引退説が取りざたされていた。(パリ=青田秀樹)