米国務省で開かれたイベントで講演するロス米商務長官=ワシントン、五十嵐大介撮影
ロス米商務長官は9日の講演で、日本などが進める米国抜きでの環太平洋経済連携協定(TPP)の発効を目指す動きについて、「実現したとしても反対はしないだろう」との考えを示した。ロス氏は「TPPの主要国と個別の協定を目指す」として、日本などとの二国間協定への意欲を改めて示した。
米国抜きのTPP、発効視野に協議継続 首席交渉官会合
特集:TPP(環太平洋経済連携協定)
トランプ政権が離脱を表明したTPPについて、ロス氏は「与野党ともにTPPを進める政治的な意思はない。大統領選で誰が勝っても、崩壊は避けられなかった」と指摘。一方で「いくつかはいい面もある」として、合意した内容の一部は、カナダやメキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉などの土台になるとの見方を示した。
米国以外のTPPの参加11カ国は先週カナダで首席交渉官会合を開催。今月下旬にはベトナムで閣僚会合を開く。カナダのシャンパーニュ国際貿易相は「ベトナムの会合では閣僚レベルで選択肢について検討する。カナダはアジア太平洋地域の貿易で中心的な役割を果たす」と話し、推進に意欲を示した。(ワシントン=五十嵐大介)