都道府県が国に申請する事業計画に盛り込まれる日本型IRのイメージ
カジノを誘致するなら、運営事業者を先に決め、併設する国際会議場の概要や日本全国の観光案内に一役買う仕組みも示す――。政府は10日、カジノを含む統合型リゾート(IR)計画を国に申請する際、都道府県などに一体的な事業計画づくりを義務づける方針を固めた。
10日に開かれた有識者によるIR推進会議で方針を示した。今秋の臨時国会への提出をめざすIR実施法案に盛りこむ。地域を決めた後に事業者を選定する案もあったが、カジノ解禁への慎重論に配慮し、収益が公益目的に使われるよう自治体の責任を明確化するのが狙いだ。
昨年12月施行のIR推進法では、カジノは「地方公共団体の申請に基づき国の認定を受けた区域」につくると定めている。政府は申請者について都道府県を原則とし、政令指定市は都道府県との協議を義務づける。賭博を取り締まる警察が都道府県単位であることなどをふまえた。
刑法の賭博罪で禁じられているカジノの合法化にあたっては、収益を公益目的にあてることが必要とされる。民間企業が運営するため使途を不安視する声もあり、政府は自治体の関与を強める必要があると判断した。
具体的には、運営事業者の提案…