民進党のヒアリングで、議員の質問に答える森友学園の籠池泰典前理事長(左)。中央、右端は同党森友学園調査チームの今井雅人座長、川合孝典参院議員=16日午後4時8分、東京都千代田区、関田航撮影
森友学園(大阪市)への国有地売却問題で、籠池泰典・前理事長は16日、民進党が開いたヒアリングで、学園側の弁護士や設計業者のやりとりとするメールの内容を提出した。国との売買契約では地中9・9メートルの深さまでごみがある前提で撤去費が見積もられたが、メールには「約3メートル以深には廃棄物がない」などと記載されている。
特集:森友学園問題
これまでも、地下9・9メートルまでごみがあったかどうかは疑問視されてきた。国は9・9メートル地点のごみを確認して撤去費約8億2千万円を算出したとしているが、地下3メートルより深い場所になかった場合はその根拠が崩れることになる。
籠池氏によると、この日提出したのは主に学園側の弁護士と工事の設計業者がやりとりしたとされるメールの内容。学園の幼稚園宛てにも同送され、受信箱に残っていたという。
それによると、学園側が昨年3月に購入希望に切り替えた後、国は撤去費の算定に必要な資料の提出を要求。設計業者は同年4月8日、対応を相談するため弁護士らに送ったメールの中で、提出を求められたボーリング調査結果について、「約3メートル以深には廃棄物がないことを証明している」などと記載していた。
また、その翌日のメールでも、設計業者は「敷地全体でも無いであろうと推測できる」などとして「じゃあ、そんなに(金額を)引けないですよね……という正論で負けてしまいそうな感じがしてなりません」と弁護士などに伝えている。
これを受け、弁護士は「裁判になれば負ける要素になるのであれば、それは仕方ない」として、ボーリングの調査結果図を国側に提出することを見送るよう提案。同月10日、設計業者は「今回ボーリング調査に関する資料は抹消いたしました」と報告した。
問題の国有地は、10年以内の…