「R25」の配布場所=2004年、東京・新宿
サイバーエージェントは、休刊したフリーマガジン「R25」の運営会社を取得し、近くネットで新サービス「新R25」を始める。SNSを使う若者むけにわかりやすいニュースを配信する。長引く出版不況のなか、休廃刊した雑誌がネットで再生する事例になるかもしれない。
R25はリクルートが中心になって2004年に創刊。若いビジネスパーソンむけにわかりやすくニュースを解説した。駅やコンビニにおかれた無料雑誌で、ピーク時部数は60万部。15年9月24日号を最後に休刊し、近年はネットサービスに特化していた。
リクルートホールディングスが3月撤退を決めたところ、サイバーが「ブランドを生かしたい」と取得に名乗りをあげた。社員とブランドの継承を条件に譲渡を受けた。
サイバーは昨年、自社のエンタメ情報サイト「スポットライト」に掲載した記事の約半数に、また女性むけサイトの「バイ・エス」では掲載記事の8割に著作権上の確認が不十分な記事があったことが判明。サイバーは今後一般ユーザーの執筆記事に依存するのではなく、自前の編集部をもち、コンテンツの制作・管理能力を高めようと判断。スポットライトを新R25に統合し、「池上彰さんを参考にして」(サイバーの小池政秀常務)、R25の持ち味のわかりやすいニュース解説とエンタメ・トレンド記事を主にソーシャルメディア上で配信する計画だ。(大鹿靖明)