学生たちが勉強や読書をするゼロカフェ金沢大学前店。企業のイベントも開かれる=金沢市もりの里2丁目
学生専用でコーヒーやジュースが飲み放題、電源やWiFi(ワイファイ)も使い放題で料金はゼロ円。そんな「ゼロカフェ」が金沢などで人気だ。学生採用のために交流の場を求める企業などが広告費を出しており、学生との交流イベントも開かれている。
金沢大学前店(金沢市もりの里2丁目)と金沢工大前店(野々市市高橋町)の2店舗がある。オフィスの内装などを手がける金沢市の企業「サンズ」が一昨年の秋に始めた。飲み物は10種類が飲み放題で、平日の夕方は、無料のドリンクを片手に勉強する学生がたくさんいる。
開店から1年半で、両店舗に延べ約2万人の学生が訪れたという。会員登録した学生は金大前店約2300人、金沢工大前店約1600人。「1、2年生も多い。早いうちから就職に目を向けるきっかけにしてほしい」と、ゼロカフェ責任者の三原耕平さん(29)。
企業はゼロカフェのツイッターやフェイスブックでの情報発信や店内の掲示に1カ月2万円、就職説明会の開催には1回3万円を支払う。就職による学生の県外流出に危機感を抱く県も協力している。「ゼロカフェは学生と県内企業を結びつける重要な場」と、県労働企画課の担当者。ゼロカフェ主催イベントに職員を派遣して県内就職のメリットをアピール。県内企業社員との「寄せ鍋交流会」や能登の企業とともに地域の良さをアピールする「やっぱり能登じゃナイト」をゼロカフェと共同開催した。
「飲み物代や施設の家賃、光熱費を考えると少し赤字」と三原さんはいうが、「売り手市場と言われる中で、企業も採用に悩んでいるはず。協賛してくれる企業を増やし、学生と企業をつなぐ場をもっと増やしたい」。問い合わせはサンズ(076・291・6001)。(定塚遼)