なぜ外れる? 保育ニーズの予測
認可保育施設に入れない待機児童を解消する目標期限が先送りされる。施設は増え続けているのに、なぜ「ゼロ」にならないのか。朝日新聞が自治体に行った調査では、保育ニーズ予測の甘さが浮かび上がった。
「待機児童ゼロ」3年先送り 今年度末の達成は絶望的
調査には79自治体が回答。そのうち待機児童がいた70自治体にその理由を選択肢から三つまで選んでもらったところ、「保育ニーズが想定を上回った」が54自治体と最も多かった。
待機児童数が近畿圏で最も多かった兵庫県明石市は、昨年1月に待機児童緊急対策室を新設。この1年間で新たな保育施設を800人分整備するなど、対策に力を入れてきた。
今年4月の保育施設入園を申し込むのは500人と試算。内訳は、共働き世帯の増加で200人、人口増の影響で50人、保育の受け皿が増えることによる需要増で250人とした。昨年4月時点で隠れ待機児童も含め400人以上の待機児童を抱えていたが、定員を1千人分増やせば「ゼロ」にできるともくろんだ。
それでも今年4月の待機児童は547人と、前年の2倍近くに。計画より200人分の施設整備が間に合わなかったうえ、保育ニーズの予測を見誤った。
住宅地として人気がある同市のJR大久保駅周辺などは重点的に施設を増やしたが、むしろそんな地域で待機児童が増加。親が求職中の待機児童数は前年の2倍以上の180人になった。担当者は「保育園が増えるなら子どもを預けて働けると、新たに希望した親も多かったのでは。そうした需要の予測が甘かった」と分析する。
東京都足立区は、区内を13ブ…