ロンドンで5日開かれた追悼集会に出席し、過激思想に反対するイスラム教徒ら=河原田慎一撮影
英ロンドン中心部で3日夜に起きたテロ事件の犠牲者を追悼する集会が5日夕、現場近くの公園で開かれた。イスラム教徒で初の市長のカーン市長が「テロリストの誤った考えは真のイスラム教ではない。決して我々は分断されないし、過激思想を打ち負かす」と述べ、テロと戦う姿勢を強調した。
事件は3日午後10時ごろに発生。実行犯の男3人がバンで人をはねたり、ナイフで襲ったりして7人が死亡した。事件後、過激派組織「イスラム国」の系列メディアが「襲撃を実行した」と表明している。
集会では1分間の黙禱(もくとう)の後、カーン市長が「ロンドンにいるすべての人が、遺族や被害者とともにいる。我々の愛や連帯は、過激派の憎しみよりも常に強い」と呼びかけ、市民らが大きな歓声と拍手で応えた。
事件で友人がけがをして入院しているというエマ・バワーズさん(36)は、犠牲者に捧げる花束を持って訪れた。「すべての被害者を支えたいと思って来た。とても悲しいが、市民が団結し、テロに対してもっと強くなりたい」と話した。
会場には、イスラム教系女子学校の生徒約20人も、花束を手に参加。多くのイスラム教徒が集まり、「過激思想反対」と書かれたプラカードなどを掲げて、市民の連帯を訴えた。(ロンドン=河原田慎一)