自民党役員連絡会であいさつする高村正彦副総裁(中央右)。同左は二階俊博幹事長=6日午前9時33分、国会内、岩下毅撮影
自民党の憲法改正推進本部(保岡興治本部長)は6日午前、党本部で体制拡充後初めてとなる幹部会を開き、年内をめどに党改憲原案をまとめることで一致した。保岡氏は、安倍晋三首相が提案している9条への自衛隊明記や教育無償化など4項目を中心に議論する方針を示した。
首相の改憲提案を受け、推進本部は議論を加速化させるため、幹部会メンバーを9人から21人に拡充。首相に近い下村博文幹事長代行のほか、首相官邸が公明党との調整役にと期待する高村正彦副総裁も加わった。一方、首相の提案に批判的な石破茂・前地方創生相も入った。
保岡氏はあいさつで、「遅くとも年内をめどに(衆参の)憲法審査会に提案できる具体的な党の案をまとめたい」と明言。首相は先月21日のラジオ番組の収録で「年内」との目標を示しており、首相の意向に沿った形だ。推進本部は今後、9条への自衛隊明記▽教育無償化▽緊急事態条項▽参院選の「合区」解消を含めた選挙制度――の4項目について、どう原案をまとめていくか議論を進めていく見通しだ。
検討対象となる改憲項目については、首相が5月3日のビデオメッセージで提案した9条への自衛隊明記や高等教育を含む教育無償化を挙げた。国会の憲法審査会でも議論されている大規模災害などに対応する緊急事態条項や、県境をまたいで選挙区を合併する「合区」解消を含めた選挙制度の問題を、改憲項目として列挙した。
幹部会では石破氏が、「仮に9条を議論するなら、あくまでベースは(2012年の改憲)草案でなければならない」と指摘。安倍首相は9条1項、2項を残すと提案しており、いずれも変更する草案との整合性を問うた形だ。