検討協議会後、取材に応じる名古屋大の松尾清一総長(右)と岐阜大の森脇久隆学長=18日、名古屋市千種区
運営法人の統合を検討している名古屋大(名古屋市千種区)と岐阜大(岐阜市)は18日、年度内にも結論を出す方針を明らかにした。文部科学省は一つの法人が複数の国立大学を経営できるようにルールを見直す考えで、実現すれば全国初のケースとなる。
両大は教養課程の共有化や事務作業の集約などで、大学の機能強化につなげたいという。この日は両大の総長、学長ら6人が名大で開催された初の検討協議会に参加。他大学からの参加も促すために「東海国立大学機構(仮称)」の設立を目指すことを確認。今後月1回のペースで協議会を開く。
会議の冒頭、名大の松尾清一総長は「新たな枠組みが、東海地区の国立大の活性化と地域の発展に貢献できる原動力になると考える」とあいさつ。岐阜大の森脇久隆学長は「丁寧で深みのある議論を詰めつつ、一定のスピード感を持って進めたい」と話した。
全国の国立大は2004年に法人化。国立大学法人法は、大学運営の自主性や自立性を高めることなどを理由に、1法人につき一つの大学のみ運営できると定めている。一方、公立大や私立大では1法人が複数大学を運営できる。
文科省は経営合理化のため、国立大も1法人が複数大学を運営できる「アンブレラ方式」を導入する方針で、中央教育審議会で検討している。(日高奈緒、佐藤剛志)