インドのムンバイで開かれたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の3度目の年次総会が26日、閉幕した。膨大なインフラ需要があるインドはAIIBにとって最大の投融資先になった。インドと、AIIBを主導して設立した中国の関係改善も背景にある。
「アジアには大きな格差が存在する。AIIBは課題を解決していく中心的な役割を果たすことができる」。開幕式で演説したインドのモディ首相はAIIBをこう持ち上げた。
13億人の人口を有するインドは年約7%の実質成長を続けているが、電力や道路などのインフラ整備は遅れ、投融資が爆発的に伸びる可能性がある。AIIBによる投融資は、87ある加盟国のうちインド向けが約3割を占め、突出している。24日の理事会でも、インド政府系投資会社が運営するファンドに2億ドルを出資することを決めた。
もともとインドには、AIIBを主導する中国への警戒感があった。中国が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」には、インドとパキスタンの係争地であるカシミールでの事業も含まれている。スリランカやモルディブなどインド周辺国のインフラ整備を中国が支援していることにも、インドは不快感を募らせていたとみられる。
それでもインドは、AIIBを自国のインフラ開発を進めるための「資金の供給源の一つ」(インド政府関係者)と考えている。AIIBの創設メンバーとして中国に次ぐ出資国となったのも、組織内から運営に関与して自国に有利に動かしたい思惑があるからだ。
モディ氏は総会での演説で「旺…