映画「ちょっと今から仕事やめてくる」に主演した福士蒼汰さん=堀内義晃撮影
アロハシャツに半パン、サンダル姿で、大阪弁をしゃべりながら、相手の懐に入り込む。強引だけど憎めない男だ。映画「ちょっと今から仕事やめてくる」で主演した福士蒼汰にとって、大阪弁は初挑戦。「心も大阪人にならないといけない役」だった。
仕事で追い詰められた青山(工藤阿須加)は、駅のホームで電車にはねられそうになる。彼の手を引いて救ったのは、小学校の同級生でヤマモトと名乗る男(福士)だった。
工藤は役柄上、上司から執拗(しつよう)に怒鳴られてばかり。演技とは言え、相当つらかったようで、福士と絡む明るいシーンで「きょうは楽しい」と笑顔を見せた。「役と同じように光になれていたなら、うれしい」
太陽のようなヤマモトには、青山に見せない影がある。成島出(いずる)監督から、漫才コンビ「横山やすし・西川きよし」のDVDを勧められた。太陽と月、明るさと悲しさの二面性、横山やすしの芸の裏にある孤独やさみしさを感じてほしいと言われた。強引だけど優しさがにじむキャラクターづくりは笑福亭鶴瓶を参考に。出演番組を見て、研究を重ねた。
福士と工藤の仕事の都合で、本…