「七夕の試合は、もちろんこのスタイルで!」と立花光貴さん=ほっともっとフィールド神戸
泥沼連敗中の巨人ファンに贈る、1998年の七夕の夜、オリックス―ロッテ13回戦@グリーンスタジアム神戸(GS神戸、現ほっともっとフィールド神戸)で起きた悲劇と誇りの物語。
巨人が球団ワーストの12連敗 西武に0-3で敗れる
1998年7月7日。グリーンスタジアム神戸(GS神戸、現ほっともっとフィールド神戸)。オリックス―ロッテ13回戦。七夕の夜、神戸で起きた、ある物語が、今も静かに語り継がれている。
この試合は、全国的に注目を集めていた。ロッテが負ければ、プロ野球記録の17連敗。もがき苦しむチームやファンをよそに世間には記録更新を半笑いで期待する空気も漂っていた。
ロッテは先発の若きエース格、黒木知宏が力投し、3―1とリードして迎えた九回裏。2死走者一塁でカウントは1ボール2ストライク。あと1球で連敗ストップ――。と思ったところに、打球が左翼席へと向かって飛んだ。
同点……。マウンドの黒木は、がっくりひざを折って、うつむいている。
試合は延長十二回、サヨナラ満塁本塁打が飛び出し、連敗記録は62年ぶりに華々しく塗り替えられた。
ふがいないチームに、ファンの心中も穏やかではなかった。本拠、千葉マリン(当時)の右翼席に「負けは見飽きた」と大書した横断幕が掲げられたこともある。だが試合前、ファンたちは話し合った。
「このチームを応援していこう…