大リーグ・ブルージェイズ時代、捕手の代役としてイニング間のキャッチボールをしたこともあるソフトバンクの川崎=2013年、ロイター
(10日、ソフトバンク1―5阪神)
捕手を使い切ったソフトバンクのベンチで、川崎宗則内野手(36)を“第4捕手”として待機させる緊急プランが浮上していた。
この日、スタメンマスクをかぶった甲斐が五回に代打を送られ途中交代。2番手の高谷も守備でファウルチップを受け、右手中指を骨折。九回表の守備から交代していた鶴岡も、その裏の攻撃で代打が送られた。
この時点で捕手登録していた3人を使い切ったため、工藤監督は、同点となって延長戦になった場合に備え、捕手に川崎を起用するプランを考えていた。達川ヘッドコーチから打診を受けた川崎も「余裕です。俺しかいない」と引き受けたという。救援には、150キロを超える速球を持つ守護神サファテらが控えていたが、大リーグ時代にブルペン捕手の経験があるという川崎は「英語が話せるし、同学年で息も合う。ワクワクしていた」と話す。
結局、九回に4点差を追いつけず、実現はしなかった。達川ヘッドは「1年に1回あるかないか。『サインはお前が出せ』と言ったら、『任しとけ』と返ってきた。最後まであきらめない。ベンチのファイティングポーズだよ」。工藤監督も「(九回は)まずは追いつかないといけない。ベンチでできる人間がいればやらせないといけない。今後は考えないといけないが、無いことを祈ります」と苦笑いだった。(甲斐弘史)