ゼンリンが新たに発売した、東京都の離島部7村の住宅地図帳(同社提供)
地図大手のゼンリン(北九州市)の発行する住宅地図が、全国の1741市区町村を網羅することになった。東京都の離島部にある7村の住宅地図帳を、16日に初めて発売。最初の住宅地図発売から65年かけ、カバー率「100%」を達成した。
今回、新しく整備した7村は利島(としま)村、新島村、神津島(こうづしま)村、三宅村、御蔵島(みくらじま)村、青ケ島村、小笠原村で、4冊に分けて地図帳にまとめた。昨年6月から半年間かけて調査員が現地を歩き、調べたという。ゼンリンが新しい住宅地図を発行するのは13年ぶりで、2004年に鹿児島県の離島部の三島村と十島(としま)村の地図を出版して以来という。
ゼンリンが住宅地図を最初に発売したのは1952年。創業の地である大分県別府市だった。その後、順次、全国の地図を整備してきたが、離島部では多くの販売が見込めないことなどから時間がかかっていた。
住宅地図は地域の状況を細かく把握するため自治体や電力会社などでよく使われるほか、災害時の被災者救援活動や復旧活動でも活用されている。近年は荷物の配送などに小型無人飛行機のドローンを使おうとする動きもあり、ゼンリンは離島の住宅地図も今後、利用が拡大すると見込んでいる。15年度からの中長期の経営計画でも、全国の市区町村を網羅する目標を打ち出していた。(田幸香純)