パリ航空ショーの開幕に先立って披露された国産初のジェット旅客機「MRJ」=パリ郊外
19日に始まる世界最大級の航空機展示会「パリ航空ショー」の開幕に先立ち、三菱航空機は18日、国産初のジェット旅客機「MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)」の試験機を現地で披露した。国際的な航空ショーで実際の機体を展示するのは初めて。
特集:国産初のジェット旅客機MRJ
展示されたMRJは、米ワシントン州の開発拠点で飛行試験を行っている4機の試験機の一つ。同州を飛び立ち、カナダやアイスランドを経て航空ショーの会場であるパリ郊外のルブルジェ空港に到着。顧客第1号であるANAホールディングスの青を基調としたデザインを施した。
MRJの初号機納入は2013年の予定だったが、機体の設計変更が相次ぎ、20年半ばにずれ込んでいる。三菱航空機の親会社である三菱重工業の宮永俊一社長は18日、記者団に対し、「大変ご迷惑をおかけして申し訳ない。これだけ完成していると、ぜひお見せしたくてここまで来た」と述べた。一方、ANAホールディングスの篠辺修副会長は「飛行機を使う側としては万全な飛行機にしていただきたいので、(延期は)十分理解しているつもり。確実にスケジュールを刻んでいってほしい」と話した。
世界の航空機メーカーが最新鋭機などを披露するパリ航空ショーは2年に1回開かれ、今年は25日まで。計約130機の展示が予定されている。一般公開は23日から。(パリ=寺西和男)