相対的貧困率の推移
子どもの貧困率(相対的貧困率)は2015年に13・9%となり、過去最悪だった前回の12年調査から2・4ポイント改善したことが27日、厚生労働省が発表した16年の国民生活基礎調査でわかった。労働環境がよくなって親の所得が増えたためで、改善は12年ぶり。ただ主要国の中では依然として高く、ひとり親世帯は過半数が貧困状態のままだ。
調査は16年6~7月に実施。直前に地震で大きな被害が出た熊本県は除き、貧困率は約3万4千世帯の15年の所得を調べ、有効回答率は71・76%だった。
18歳未満の子どもの貧困率は03年の13・7%から上昇が続き、12年調査で16・3%に達した。今回は全世帯の年間の平均所得が8万6千円増えて545万8千円となり、改善につながった。母親に正規の仕事がある世帯が2・6ポイント多い22・0%となったことなどが背景にある。
ただ、それでも子どもの7人に1人が所得が少なくて生活が苦しい貧困状態で、先進国でつくる経済協力開発機構(OECD)の平均13・2%(13年)を上回る。デンマークの2・7%や韓国7・1%などに及ばず、主要36カ国で24位にとどまる。
現役世代(18歳以上65歳未満)が1人いるひとり親世帯の貧困率も、前回より3・8ポイント改善して50・8%となったが、過半数を占める状況が続く。大人も含めた全体の貧困率は前回より0・5ポイント改善して15・6%。主要36カ国では29位だった。
また7573人が対象の介護の…