欧州視察を振り返る森崎浩司さん=広島市西区
新サッカースタジアムの建設地が3案で検討されるなか、J1サンフレッチェ広島は6月30日、欧州の視察報告を公式ホームページで動画として発表した。1月にドイツとオランダで七つのスタジアムを訪問した。現地を歩いた森崎浩司アンバサダー(36)に新スタジアムの目指すべき姿を聞いた。
■「より一体となって戦える環境を」
街中に立地し、収容人数が3万人規模のスタジアムを中心に見てきました。一番印象に残ったのは、オランダのPSVですかね。主要な駅から徒歩10分で、目の前が住宅地。街のレストランで食事してから来る観客が多いとのこと。周辺の住民とも月に1回、運営面について話し合い、何か問題があれば、一緒に解決しているそうです。
サッカーの試合を見ることが一番の目的だと思うんですけど、その前後の楽しみ方は学ぶことが多かった。ドイツではビジネスチャンスを生むように、企業の方たちが話し合える空間を設けていました。ラウンジでは、たくさんのお客さんが和気あいあいとしているのが印象的でした。かしこまるのではなく、お酒を飲みながら率直に話し合っている。試合後もラウンジは2時間ほど使えるようにして、帰りの混雑を軽減できるようにしていました。
試合の日以外をどう使うかも、すごく考えられていた。選手のロッカーは会議室にしていた。結婚式や学校の卒業式をやったり、グラウンドではアイスホッケーやコンサート、バーベキューを開催したりと、常に活用されている。サッカーに興味のあるなしではなく、スタジアムがあるからこそ、ここで何かをやろうとなる。
球技専用なので、サポーターと…