記録的な豪雨から一夜明けた福岡県朝倉市の山田地区。国道386号には流木が散乱していた=6日午前6時10分、日吉健吾撮影
記録的な大雨となった九州は、6日も北部を中心に激しい雨が降り続き、正午現在、福岡、大分両県では大雨特別警報が引き続き出されている。大雨は佐賀、長崎、熊本の3県にも拡大。福岡県警によると、朝倉市で男性1人の遺体が見つかった。大分県日田市では3人が土砂崩れに巻き込まれて男性1人が死亡した。福岡県は、6人が行方不明、5人と連絡がついていないとしている。
柳川・大牟田など7市町、新たに大雨特別警報 気象庁
菅義偉官房長官は6日午前6時40分すぎ、臨時の記者会見を開き「情報を政府としても確認しきれていない部分がある」とした。自衛隊や警察、消防約7800人態勢で救助活動にあたる。天候が悪く、四十数機のヘリコプターが待機したままだという。
気象庁によると、6日午前3時10分、新たに福岡県柳川市など7市町に大雨特別警報を出した。大分県の3市は午前6時15分までに解除となり、両県の大雨特別警報は正午現在、計32市町村となった。
総務省消防庁のまとめでは6日午前4時現在、避難指示(緊急)の対象は、福岡県で16万9459世帯39万9880人、大分県で1万2651世帯4万33人、熊本県で315世帯754人で、九州で計約18万世帯44万人。島根県でも7世帯17人となっている。避難勧告の対象は、福岡県で1万6974世帯4万6130人、大分県で5605世帯1万2368人。
福岡県の6日午前9時のまとめでは、水害に巻き込まれた可能性が高い行方不明者が飯塚市や桂川町、朝倉市の計6人。東峰村の5人が連絡が取れなくなっている。日田市でも11人の安否がわからなくなっているが、大半は家族らから「連絡が取れない」と情報が寄せられたもので、県は「本人が避難所にいる可能性もある」として確認している。
孤立したまま夜を明かした住民の救助は早朝から始まったが、道路が寸断されるなどで難航している。陸上自衛隊は6日午前4時15分ごろから、朝倉市の桂川の氾濫(はんらん)で約300世帯が孤立した蜷城(ひなしろ)地区の小学校での救助活動を始めた。この小学校に避難した住民を約2キロ離れた中学校まで順次、避難させるなど、孤立集落への救助活動などを進めている。
児童を含む住民らが孤立した市立松末(ますえ)小学校の救助は、道路が土砂崩れで寸断されていたために重機で土砂を撤去し、午前10時ごろから始まった。
また、熊本県によると、南小国町の4地区で住民が一時孤立した。
一方、朝倉市の道路をパトロール中に連絡がとれなくなっていた福岡県職員3人は6日午前、無事が確認された。日田市で軽トラックで出かけたまま連絡がつかなくなっていた男性も市が無事を確認した。
JR九州によると、日田市の久大線の橋(長さ80メートル)が流された。午前10時50分現在、久大線や日田彦山線など6路線の一部で運転を見合わせている。
九州電力によると6日正午現在、福岡、大分、熊本の3県の計5900戸で停電している。