九州の鉄道や高速道路は各地で寸断された。
大分県日田市のJR久大線では、光岡(てるおか)―日田間にある花月川橋梁(きょうりょう、長さ約80メートル)が流された。橋につながっていたはずの線路が宙に浮き、橋脚は川の中に倒れ、茶色く濁った水が勢いよくぶつかっていた。
近くの太田正和さん(43)は、「5年前の九州北部豪雨でもここまでの被害はなかった」。高校生の長女が通学で久大線を使うが「これからどうやって通学すれば」と心配した。
久大線は福岡から九州を横断して大分・由布院方面に向かう観光路線だが、JR九州は「復旧にはかなりの時間がかかる」としている。ほかに日田彦山線や鹿児島線、長崎線、佐世保線など計9路線の一部で6日朝から運休した。西鉄天神大牟田線も柳川―大牟田間で始発から運休した。
高速道路は大分道の甘木(福岡県)―玖珠(くす、大分県)間の複数の場所で斜面が崩れ、6日午前も通行止めが続いた。復旧の見通しは立っていない。長崎道の多久―嬉野、武雄ジャンクション―武雄南間(いずれも佐賀県)、九州道の久留米(福岡県)―植木(熊本県)と、益城熊本空港―御船間(いずれも熊本県)も通行止めになった。
福岡県内では大雨の影響で6日も休校が相次いだ。県教委によると、小中学校は筑紫野市、久留米市、小郡市、朝倉市、うきは市、大刀洗町、筑前町、大牟田市、筑後市、大川市、みやま市、東峰村、柳川市、八女市、広川町、大木町の16市町村で全校が休校になった。県立高校は久留米、三潴、伝習館、大牟田北、八女、浮羽究真館、朝倉、田川など23校が休校を決めたほか、1校が始業時間を午後1時に繰り下げた。