星野リゾートとの所属契約会見で記念撮影する鬼塚雅 練習場所の確保や長期遠征などで活動資金がかさむ冬季競技。来年2月の平昌(ピョンチャン)五輪のメダル候補でも、スポンサー探しに苦しむ選手がいるのが現状だ。そんな中、スノーボードの世界選手権女子スロープスタイルで2大会連続のメダルを獲得した鬼塚雅(18)が14日、高級旅館などを運営する星野リゾートと所属契約を結んだ。 「契約が決まり、もっと頑張ろうという気持ちになった」。昨季は所属先がなくフリーで活動した鬼塚は東京都内で開いた記者会見で笑った。最大のサポートは、スロープスタイルとビッグエアに挑戦する鬼塚用のプライベート練習環境を星野リゾートが運営する福島県内のスキー場に設けることだ。鬼塚は「これまで国内に練習施設がなかった。五輪前に、自国で練習環境が整うので一安心している」と語る。 熊本市生まれの鬼塚。5歳で福岡市内の室内施設で競技を始めて以降、たびたび福島県内の星野リゾートのスキー場で練習したり、大会に出場したりしたのが今回の契約につながる縁となった。 星野リゾートがスポーツ選手と所属契約を結ぶのは初めてだ。星野佳路代表は「利益につながる話ではない。福島でスノーボードを学び、楽しさを見いだした選手が、世界レベルになるのは地域の誇り」と語り、2011年の東日本大震災と原発事故から、観光地として復興していく地域の推進力になると期待する。 鬼塚は15年1月の世界選手権女子スロープスタイルで、大会最年少の16歳3カ月で優勝。今年3月の世界選手権の同種目では、2大会連続の表彰台となる3位に入った。 大会後の練習では、平昌五輪で正式種目になるビッグエアの大技「バックサイド・ダブルコーク1080」(縦2回転横3回転)を成功させた。公式戦で成功したのは、今年の世界選手権の優勝者だけ。鬼塚は「ライバルにやっと追いついた。今度は追い越したい」。福島にできる練習場でも技を磨くつもりだ。(前田大輔) |
福島から平昌へ スノボの鬼塚雅が星野リゾートと契約
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