旅館・ホテル運営の星野リゾート(長野県軽井沢町)は1日に記者会見を開き、ホテル京阪(大阪市)から運営を受託したリゾートホテル「星野リゾート ロテルド比叡」(京都市)の運営方針を明らかにした。比叡山にある立地を生かして琵琶湖の魚介を使った料理を提供するなど、京都市中心部のホテルとの違いを出す。宿泊客以外への食事サービスの提供はせず、宿泊を強化する。
星野佳路社長は「京都にいると京都という巨大な観光地のなかに埋没する」ことが同ホテルの課題と説明した。JR京都駅から送迎バスで約50分かかる同ホテルは京都市内観光には不利になる。このため、開業が相次ぐ市内のホテルとの競合を避け、滋賀県の観光資源などをアピールする。
フナを発酵させた「ふなずし」など地元食材を採り入れたフランス料理を提供したり、延暦寺の門前町として栄えた大津市坂本地区の観光を紹介したりする。琵琶湖が一望できる立地も生かす。
従来は宿泊客以外も利用できたレストランを宿泊客向けに限定する。こだわりの料理で、「1泊2食の価値を最大化させていく」(星野社長)という。
ロテルド比叡は延べ床面積が約5千平方メートルで、宿泊部屋がスイートルームを含め全29室ある。料金は1泊当たり2万7千円から。ホテル京阪から運営を引き継ぐ際にレストランなど一部施設を改装した。