スロープスタイル女子決勝を終えた鬼塚雅=白井伸洋撮影
(12日、平昌冬季五輪第4日、スノーボード女子スロープスタイル)
スノーボード女子スロープスタイルの結果
日本勢は藤森の9位が最高 スノーボード女子SS
特集:平昌オリンピック
あふれる涙を止めることができなかった。「自分の実力を出し切れなかった」と唇をかんだのは、メダル候補に挙げられていた鬼塚雅(星野リゾート)だ。
雪煙が舞うほどの強風が吹き荒れる悪条件だった。コース後半にある三つのジャンプ台では、目まぐるしく変化する風向きに苦戦し、ほとんどの選手が転倒。その風に、鬼塚ものまれた。
決勝で滑った2本はいずれも、二つ目のジャンプ台で着地に失敗。「(コーチから)追い風だって言われてスタートを切っても、(ジャンプ台まで)行ってみたら向かい風になっていて……」。五輪に向けて仕込んできた大技に挑戦することもできず、19位に沈んだ。日本代表の今井勇人コーチも悔しさをにじませ、「風の状態が悪く、技術でカバーできるものではなかった。風に負けた」。
ただ、金メダルをさらったのは、1月にあった世界最高峰のプロ大会「ウィンターXゲームズ」を制したジェイミー・アンダーソン(米)だ。「運がなかった」と鬼塚は嘆くが、一方で五輪2連覇を達成した実力者は、技の難易度を抑えて刻々と変わる風に柔軟に対応してみせた。「何もかも、全然出来なかった」。初出場の19歳には、その力がまだなかった。(吉永岳央)
■藤森9位「少し…