攻守交代の際に仲間と話す舞子の額田(右から2人目)
(16日、高校野球兵庫大会 舞子3―2姫路西)
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兵庫大会2回戦に登場した舞子の額田(ぬかた)佑弥(3年)は、ほかの捕手より、クールでいかつく見える。サングラスをかけているからだ。
打球が太陽と重なっても見失わないためにかけるサングラス。大学野球では野手が着用することが多く、プロ野球では捕手もかけることがある。だが、高校野球では試合前に主催者、審判員の許可を得なければ着用できない。兵庫大会の場合は、必要性を医師の診断書で証明しなければならないルールもある。
額田は春まで正捕手だった。5月下旬、練習試合中に投球練習のボールが左目を直撃した。眼窩底(がんかてい)骨折。約1カ月で復帰したが、控えに回ることになった。いまも左目の視界はぼやけ、負傷前に比べてまぶしさに敏感になった。サングラスをかけないと、ボールはほとんど見えない。
額田はサングラスをかけることに、ぎこちなさを感じている。「汗かきなんで、顔をふくときに邪魔なんです」。試合に出たいから、我慢してかけている。
この日は姫路西に3―2で競り勝ったが、出番はなかった。「正直、めちゃくちゃ悔しい」。元来、ムードメーカーでもある。「落ち込んでいられない。次もたくさん声を出します。僕のトレードマークはサングラスと、元気ですから」。笑顔で、18日の3回戦へ向かう。(小俣勇貴)